#読了 #王谷晶 「ババヤガの夜」 日本人初のダガー賞翻訳部門受賞作。 友情や愛情ではない。肉体的な強さを持った女性と精神的な強さを持った女性の、連帯のような深い絆。 二人の女性を主人公とした本格バイオレンスアクションと思いきや、さすがダガー賞。しっかりミステリーの仕掛けまで楽しめる。

#読了 #月村了衛 「普通の底」 日々「普通」ということを願い生きてきた川辺優人。 ふとしたことで踏み外し闇に堕ちていく様を、手記形式で綴った作品。 固定化する格差と現代社会の歪みにハマり、奈落の底に転落していく優人。 という、よくある闇堕ち小説で終わらせないのが著者。 読み応えあり。

#読了 #大沢在昌 「晩秋行」 バブル時代を駆け抜け、今は60歳を過ぎ人生の黄昏期を静かに過ごしている男。 友人からの一本の電話で一変。 バブル終焉時に消えた20億円の車を巡り、当時の亡霊が蘇る。 車と共に姿を消した女を捜すため、男は自ら過去へと踏み込んでいく。 大沢ハードボイルドの真骨頂。

#読了 #鳴神響一 シリーズ21巻 「ジャスティス・エボニー」 大学教授の息子が誘拐。捜査に夏希も参加。 単純な営利誘拐と思われたその裏には、卑劣で強欲な悪意が。 鑑識課小川とアリシアの絆が、夏希の洞察力が、その悪意を許さない。 冒頭に綴られた小川とアリシアとの出会譚が、ラストに繋がる。

#読了 #長岡弘樹 「新・教場」 6話からなる短編集。 今作は風間公親が刑事指導官を辞して警察学校の教官として初赴任したところから始まる。 風間は持ち前の鋭い洞察力で、適性のない者には容赦のない判断を下す。 だが、それは風間の優しさなのかも。 ここまでくると、風間はキムタク以外にいないな。

#7月読了本 #読了 7月は8冊。 2025年累計50冊。 初読みのグロ小説と交番物。 闇堕ち物、本格ハードボイルド、ダガー賞作品。 面白さが増している警察シリーズ。 幅広く楽しみました。 櫛木理宇 降田天 内藤了 王谷晶 月村了衛 大沢在昌 鳴神響一 長岡弘樹 ありがとうございました (読了日順、敬称略)

#読了 #背筋 「近畿地方のある場所について」 副編集長の小澤雄也とフリーライター瀬野千尋は、近畿地方のある場所に集中している怪異現象について調査。 インタビューやウェブサイトの書込み等、多数の怪異が徐々に繋がりを見せるその筆致に引き込まれる。 ホラーというより哀切なミステリーだった。

#読了 #貴戸湊太 「その塾講師、正体不明」 個別指導塾が舞台の連作短編集。 前職不明で威圧感のある講師不破。 バンボシ探偵を自称する生徒たち。 塾内で起こる様々な謎や事件を、不破が影から解決へと導く。 さらには全編に跨る通り魔事件も。 ミステリーでありながら、爽やかな青春ドラマでもある。

#読了 #山翠夏人 「キャンプをしたいだけなのに 雪中キャンプ編」 前回に懲りずに、またソロキャンプに行く斉藤ナツ。 キャンプ仲間のため、メンヘラ相手にバトル。 雪中だから少しは涼しくなるかと思いきや、凄まじい熱量。熱くて暑いエンタメ 。 それでいてとても暖かく、優しい気持になれる物語。

#読了 #五条紀夫 「町内会死者蘇生事件」 青年部の3人は、悪辣非道な町内会会長権造を見事殺害。しかし翌朝、普通に権造が姿を見せる。 殺人犯である3人は、権造を蘇らせた蘇生犯を捜すことに。 古の秘術の魂玉を巡り、殺人犯と蘇生犯との争奪戦が。 想定外の展開と結末。今作も面白過ぎるミステリー。

#読了 #鳴神響一 新シリーズ 仮装身分捜査官 一条汐莉 「アンダーカバー・プライド」 神奈川県内で、偽の携帯基地局を使ったスマホの乗っ取り事件が頻発。汐莉は、携帯基地局を管理している会社に身分を偽り潜入。 スマホの身近な脅威、潜入捜査ならではの緊張感、刑事の誇り。どれも印象的でした。

#読了 #染井為人 「黒い糸」 結婚相談所に勤めるシングルマザー亜紀は、顧客からの悪質な嫌がらせに追い詰められていた。 息子が通う小学校では深刻な事件が連続して起き、担任の祐介は憔悴。 無関係に思えた悪意が、やがて黒い糸で結ばれていく。 想像を絶する展開に驚愕。秀逸なホラーサスペンス。

#8月読了本 #読了 8月は7冊。 2025年累計は57冊。 話題のホラー、秀作ミステリー、警察新シリーズ、サスペンス等々、夏だからホラー系多めでゾクゾク楽しめた。 背筋さん 貴戸湊太さん 山翠夏人さん 五条紀夫さん 櫛木理宇さん 鳴神響一さん 染井為人さん ありがとうございました (読了日順)

#読了 #夕木春央 「十戒」 島を訪れた里英と父親、観光開発の関係者9名。 関係者の一人が遺体となって発見。しかし犯人の戒律により、殺人犯を捜すことを禁じられてしまう。 さらに二人目の犠牲者が。 残された者たちは、戒律に従い脅えながら３日間を過ごすことに。緊迫感満載の中、衝撃の結末へ。

#読了 #櫛木理宇 「監禁依存症」 弁護士小諸の9歳の息子が誘拐される。小諸は性犯罪加害者のために動く弁護士。 そのため、捜査一課高比良の捜査は被害者家族が中心になるが、展開は想定外へと 時を別にして、大学生となった浦杉架乃。 二人の視点で物語が交互に進む。 今回も秀逸な胸糞に沼りました。

#読了 #今村翔吾 「イクサガミ 天」 気になっていた作品。シリーズが完結し、手に取りました。 読み始めて一気に引き込まれてしまう、極上のエンタテイメント。 家族を守るため、蠱毒というデスゲームに参加した愁二郎と双葉。行く手を阻む者との熾烈な死闘。 仲間との絆。 物語はまだ始まったばかり。

#読了 #今村翔吾 「イクサガミ 地」 三助の策略で京八流兄弟妹が集結。そこに天敵の幻刀斎が。だが彼はあまりにも強すぎる。 東海道を進む愁二郎の前に現れる数多の敵。 そして実在の人物も登場し、事態は急を要することに。 見えてくる蠱毒の黒幕。 凄まじい斬撃の死闘に、怒涛の戦慄が止まらない。

#読了 #今村翔吾 「イクサガミ 人」 島田宿に着いた愁二郎一行。 残る人数は約20人。全員が生き抜いた手練れの者ばかり。 一行の前に現れるのは、あらゆる武の達人。毒使いの女も現れ、木札を奪い合う死闘は壮絶を極める。 読者を飽きさせることなく、疾走感溢れる筆致は、秀逸としか言いようがない。