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とつき🌷俳句鑑賞

@totsuki_hk

#俳句鑑賞
俳号:三倉十月 /#炎環 #麒麟俳句会 所属

ゆるく毎日更新
#金曜日の虚子

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白日傘ゆく屋上のモネの庭/大石香代子 モネの睡蓮の池を模した庭園は、いろんなところで見かける気がする。こちらは池袋の西武百貨店の屋上だろうか。茹るより暑い東京の夏に一筋の清涼。白日傘の誰かが通ることで、草臥れた都会の真ん中にモネの世界が完成したように見える。#俳句鑑賞

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子が選ぶ入学式の母の服/鶴岡加苗 派手すぎるのは困るし地味過ぎてもヤダし、と口出しが多いけど、素敵なお母さんになって!というより素敵なんだからそれを皆に伝えたいみたいな気持ち、だと良いな、等々。色んな気持ちがよぎるけど、何よりこの節目の日に大きな成長を感じるのであった。 #俳句鑑賞

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飛花落花死にそこなひしこと忘れ/石寒太 かつての闘病のことを、積み重なる年数の中でふと忘れていることに気付く瞬間。いつの間にかしっかりと取り戻している日常に安堵しつつ、どこか仄かな寂しさのようなものも感じる。時の流れを可視化したような飛花落花が美しい。句集『以後』より。#俳句鑑賞

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焼リンゴで済ますランチや空つ風/大木あまり 食欲がない日の洒落たランチの句かと思ったら季語が空つ風。こんな風が冷たい日に出かける用事があって、慌ただしい中で冷蔵庫を開けたら昨日のデザートの焼リンゴのあまりしかなかった。わかる。実態はおしゃれとは程遠いのが日常の景だ。#俳句鑑賞

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鶯や古びて黒き椿の絵/高浜虚子 応接間などに飾ってある古い絵だろうか。絵の具がくすんで、鮮やかだった椿が変色している。長い間見る人の心を楽しませてきた絵も、ただの暗い絵に。そこに鮮やかに聞こえてくる鶯の声が、この絵にも新しい命の喜びを届けているようだ。昭和8年3月7日。 #俳句鑑賞

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菜の花や雲に抜かれぬやうに漕ぐ/加藤右馬 どこまでものどかな菜の花畑が続く。その間の道で、自転車を漕いでいる。どこかへ向かっているのか、それとも帰ろうとしているのか。この黄色い地平線とぽっかりと青い空がまるで世界の全てであるように感じる、心の原風景だ。#俳句鑑賞

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目薬に栄養のいろ四月馬鹿/仮屋賢一 色の濃い目薬は、確かに強い成分が入っていてよく効きそうに見える。ただ正確なところ、あの色の正体は知らない。もしかしたら騙されているのかもしれないし、そんなこともないのかもしれない。その辺はふわっとさせたまま今年も花粉症の目薬を指す。 #俳句鑑賞

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桜蘂降る一生が見えて来て/岡本眸 満開に咲いた桜が散りそして蘂が降る様を見ながら、いわゆる人生の盛りを過ぎた自分と重ねている。己の病を経て、夫を失い、それでも俳句とあった日々。ただこの先の新緑の人生も悪いものではない筈だ。見えていることで湧いてくる活力もあると信じたい。 #俳句鑑賞

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啓蟄や指輪廻せば魔女のごと/鍵和田秞子 大きな石の付いた指輪だろうか。ふとした瞬間にそれに触れて、魔女の気分になる遊び心が楽しい。季語の「啓蟄」が、その回した指輪が一斉の春の虫たちを動かしているように感じられて、さらに良い。優しく微笑み、春を呼ぶ魔女だ。 #俳句鑑賞

夏井いつき (@natsui_haiku) 's Twitter Profile Photo

是非、今まで以上に、SNS等で沢山の皆さんにオンエアの情報をお伝えください。 これもまた、私たちの「俳句の種蒔き活動」。 是非、ご協力ください!

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水仙は密に挿しても孤なる花/大橋敦子 花瓶の中の花の一本一本が白く淡く発光しているかのような、際立つ美しさが目に浮かぶ。ひんやりとした、静謐な美。「孤」であっても「寂しさ」は無い。この景に寂しさが見えたら、それはただ自分の中の寂しさを反射しているだけのことだ。 #俳句鑑賞

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よそゆきの布と身の間を素風かな/佐々木紺 素風とは秋風のこと。まだあまり着慣れていない、ハレの日のワンピースを着ているのだろう。体にも馴染んでいないし、心もどこかまだ距離感がある。そんな中に吹き込んだ素風の感覚が、服と自分の距離を縮めてくれるような、心地よさがある。#俳句鑑賞

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椿先づ揺れて見せたる春の風/高浜虚子 か細い枝を伸ばしているわけでは無く、どちらかといえばどっしりとした椿が、まずは春風に揺れてみるとしたほのかな擬人化の景がおもしろい。椿には確かに、先輩のような、先生のような風格がある。昭和10年4月21日。 #俳句鑑賞 #金曜日の虚子

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花杏この道往けば母が居て/中村苑子 母の愛は無償だと、定型文のように言われたりするけれど、むしろ幼い子が母親へ向ける愛のほうがよほど大きくて無限だと感じている。そんな子が大人になり母とその母と過ごした日々へと向ける郷愁と憧憬が、花杏に詰まっている。 #俳句鑑賞

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人の世のやさしと思ふ花菜漬/後藤比奈夫 素直にそう思える時もあれば、とてもそうは思えない時もあって、多分それはどちらも事実。せめて自分のまわりで、自分が触れることができる範囲の世界では、やさしを保つことに自分が出来ることをしたいと思ったりもする。花菜漬の味が染みる。 #俳句鑑賞

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野遊びの五体に恵みある大地/三輪初子 全身を使って遊んでいる子どもたちの姿が浮かんでくる。土を蹴り、草を踏み、風を受けとめ、背中を預けて。つま先を使って頭のてっぺんまで自然と戯れた感覚は、体に刻まれた記憶となり、大人になってからも自然を感じるたびに呼応するのだ。 #俳句鑑賞

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蛇いちご母をまっすぐ見られぬ日/なつはづき 実際は食べられないのだけど、子供の頃に食べてみたかった実ナンバーワン、それが蛇いちご。果たして苦いんだろうか。それとも酸っぱいんだろうか。それとも案外、甘かったりするのか。お母さんは、許してくれるだろうか。#俳句鑑賞

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New Year's Eve - steam from the kitchen / Paola Trevission 大晦日、日本の台所は蕎麦を茹でる湯気に満ちる。作者の出身イタリアではやっぱりパスタなのだろうか。家族が集う賑やかな台所もいつもの独りの台所も、ありとあらゆる台所で今年最後の湯気が満ちる。今年もいっぱい食べたね。 #俳句鑑賞

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転びたる子供に母や木蓮花/高浜虚子 転んで泣いている小さな子に手を差し伸べている母親。どこの町にもある、ありふれた微笑ましい光景なのだけど、これがパリのシャン・ド・マルス公園での景だと知ると何とも言えぬパリ感が出てくるから不思議。木蓮のイメージだろうか。 #俳句鑑賞 #金曜日の虚子

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夏の蝶過ぐや少女を仰け反らし/潮見悠 目の前から真っ青な空に向かって勢いよく舞う蝶も、その蝶を思わず見上げる少女も、表情も、目の輝きも、体の動きも、風も、その一瞬が全部夏の弾けんばかりの生命力の中にあって美しい。#俳句鑑賞 #麒麟