白本竜也 (@shiramoto_140) 's Twitter Profile
白本竜也

@shiramoto_140

はじめまして。酒と金平糖が好きです。 140字小説をはじめました。それ以外にも色々と。

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calendar_today24-12-2019 10:26:04

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貴女はうつくしい神様。艶やかに舞うその姿に、人は言葉無くとも知るでしょう。その強さを。畏れを。揺らぐことのない貴女のその熱は、たしかに心に届くでしょう。そう私は信じてやまないのです。うつくしい神様。私の神様。どうか貴女の望む全てが、上手くいきますように。 #140字小説

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バッグひとつを持って、君と手を繋いで、寒い夜に駆け出した。手の熱だけが確かだった。「全部、捨ててきた?」「当たり前じゃん。もう必要ないし」と笑いあった。僕らの息も、世界も真っ白で、未来すらまっさらになった気がした。そんな訳ないのにさ。子供の逃避行は、春の前に終わった。 #140字小説

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旧知の友に偶然会った。彼は若かりし頃から少し影のある男だった。それは今も変わらず、噴水縁に座る横顔はどこか寂しそうだった。そして懐かしそうに、広場で遊ぶ子供たちを見ていた。「生きるのは辛いか」と私は訊いた。「辛くはないが、待つのにも飽きたところだ」と彼は静かに泣いた。 #140字小説

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殺意に色があるのだとするのならそれは、無色透明であると私は思う。人を殺す時、精神は研ぎ澄まされ、五感は不思議なほど敏感になる。しかし命を奪う瞬間の感情はひどく凪いでいる。私達の祖も獣である。明確な殺意は狩りと同じだ。悟られてはならない。そこに色があってはならないのだ。 #140字小説

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手紙を書いた。内容はとりとめもないことばかり。好きになった物のこと、見かけた花のこと、それから僕自身のこと。宛先はない。切手もない。だからどこにも届かない、手紙の形をした独白。便箋を丁寧に折りたたんで、封筒に入れて、封をした。煙草用のマッチで火をつけて、さようなら。 #140字小説

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雨が全部をかき消して、書いた物語もじわじわと流してしまった。僕はただひとり夜の街で佇んでいた。雨はずっと降っている。滲んだ街灯を眺めていたら、僕は僕を忘れてしまった。ただ頬を伝う雫ばかりが煩わしくて、すでに濡れた手で拭うしかなかった。 #140字小説

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彼女は自分に似合う赤をよく知っている。薔薇のように鮮やかで、食事を終えたばかりの獣の口のように艶やかな赤。彼女は慣れた手つきでその唇に紅を引き、赤いドレスで僕の手をとる。彼女にとっては頬を赤く染めた僕もジュエリーのひとつだ。本当に彼女は自分を際立たせる赤を知っている。 #140字小説

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日が差す窓で雨粒がきらめいている。わたしは棘をもいだ花をガラスの瓶に生けた。水を入れた透明なそれは、宝石のような影をつくって窓辺にすっと立っている。変わらない影。あなたの代わりの花を毎日替えてもあなたにはなりえない。宝石みたいにきらめいたあなたを、ずっと探している。 #140字小説

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彼らがその謎を暴き去ったとき、ただ暗く佇むうつろが、こちらを静かに眺めているだけだった。どこからか吹いた風にしだれた木々が少し揺らめいていた。私が彼らを見たのはそれが最後だ。今もあのうつろは深い闇をたたえてそこにある。ただずっと、言葉もなくそこにあるだけである。 #140字小説

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静かに眠る君を見てた。君の寝顔って、案外見た事なかったんだな、と思う。こういう小さな欠片はきっと僕の中にずっと残り続けて、それは多分他の誰かにもそうで、もしいつかひどい別れがきても、欠片が集まってきっと君に、もう一度会える気がするんだ。それが勝手な夢だとしてもね。 #140字小説

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ちいさなちいさな標本箱で眠るあなたを見ていた。あなたのうつくしさは、虫ピンではりつけにされている。長く保存するための技術。けれどそこにあなたはいない。空の器。あなたがいた頃のあなたがいちばん美しかったのに。うつくしさは皆知ってるけれど、あの美しさはわたしだけのもの。 #140字小説

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あなたの青い体温を感じるにはこの隙間が広すぎて、僕の心はいつもあなたに翻弄されている。僕はあなたが好きだけど、あなたもそうとは限らないからいつだってこの埋まらない隙間を眺めている。自分の気持ちよりもあなたを尊重した結果である。あなたの青い体温を僕は知らないままである。 #140字小説

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彼女の行動は遠くにいるただの話し相手である自分にはどうしようもないけど、もっと早く返信していたら彼女は手首を切らずに済んだだろうか 痛い思いをしただけで、死んでいなくて良かったけれど

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偶然出会った不思議な、まるで妹かのような彼女が少しでも生きやすくなればいい、と思う。自分の面倒も見きれない自分にできることなど、話を聞くくらいしかなくて。

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私を愛さないお前なんていらない。私を否定しないで。私を愛してると言わないお前なんていらない。大事に大事に愛しても、返してくれないなら最初から好きだなんて言わないで。抱きしめてくれないなら、はじめから愛を囁かないで。嫌い、嫌い。お前なんて、私にはいらない。 #140字小説

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久しぶりにひとつ書けて良かった。 ありがたいお言葉も頂いて、まだ自分には言葉が残っているんだな、と思いました。 ありがとうございます。

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家に帰って、時計を見る。僕の好きな君が、今日も穏やかな気持ちで眠れますように、と祈る。いつも忙しくしている君だから、眠るときくらいはゆっくりしてほしいと思う。いつのまにか夏は行ってしまったよ。寒いかもしれないから、少し薄い毛布をかけてね。おやすみ、いとしい人。 #140字小説

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文字を打つ音。「久しぶり、元気ですか。良ければ今度の花火大会、一緒に行きませんか。会いたいです。好きで」まで入れて、3文字消した。君がこのアドレスをまだ使っているか分からないのに。それでも会いたくて、何度もやり直したメールをついに送信。電話が鳴る。嬉しそうな君の明るい声がした。

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誰とどこにいても、何をしていても、いつも思う。「自分はいつ捨てられるんだろう」「この人はいつ『お前が嫌い』と言うだろう」と。ただ楽しい時間のなかでも、ずっと頭の片隅にある恐怖。いつかは離れていくんでしょう。いつか忘れていくんでしょう。あなた方にとって自分は何ですか? #140字小説

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かわいらしい私の妹のアカウントが消えてしまった。無事に生きているだろうか。血の繋がりは無い。実際に会ったこともない。文章と、たった一度の電話だけ。それでも私を歳上のきょうだいのようだと笑っていたあの子。この理不尽な世界で、それでも生きていてほしい。私の、理不尽な願い。 #140字小説