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地球科学、特に岩石学を学ぶ方向け。主に学部1~3年生向けです。

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calendar_today28-05-2011 07:50:02

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よく知られる普通角閃石は,カミングトン閃石より少し複雑です。SiO4四面体のSiの一部がAlに置き換わっています。Siの酸化数は+4ですがAlは+3です。そのため二重鎖全体の電荷も変わってしまいますが、それとバランスをとるように陽イオンが結合し、鉱物全体として中性になります。

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輝石と角閃石はどちらも鎖状珪酸塩鉱物で,いずれも主要なものがCa-Mg-Fe成分で表されます。それぞれの組成と結晶系の対応を考えてみると面白いです。直閃石と斜方輝石,ピジョン輝石とカミングトン閃石,透閃石と透輝石,普通輝石とアクチノ閃石は良く対応しています。

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層状珪酸塩鉱物(sheet silicate)で有名なのは雲母ですが,他にも滑石,葉蝋石,その他多くの粘土鉱物がその仲間です。SiO4四面体がシート状に結びついたものが結晶構造の基本です。このシート状の結晶構造は,板状の結晶の形や,板状に割れやすい性質(劈開)に反映されます。

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層状珪酸塩鉱物の骨格となる四面体シートは、上から見ると蜂の巣のように六角形がびっしりと並んだ形です。六角形の頂点にはSi、六角の辺それぞれの中央に酸素があります。四面体の酸素一つは余っていて、シート垂直方向に外れた位置にあります。

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層状珪酸塩鉱物の骨格の四面体シートは(Si2O5)^2-で表されます。OHと結びついて, Si2O5(OH)^3-となります。2倍でSi4O10(OH)_2^6-, 4倍でSi8O20(OH)_4^12-、これと電気的にバランスを取るように,鉱物中に陽イオンが含まれます。

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層状珪酸塩の化学組成を考えるなら,最初は滑石や葉蝋石を考えましょう。滑石はSi4O10(OH)_2^6-にMg2+×3が結びついてMg3Si4O10(OH)2,葉蝋石はSi4O10(OH)_2^6-にAl3+×2が結びついてAl2Si4O10(OH)2の組成になります。

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滑石や葉蝋石では四面体の中心はSiだけですが、層状珪酸塩の代表選手である雲母の場合、AlがSiを一部置き換えます。角閃石でも同じようなことが起きますね。このSiとAlの置換については、これらの鉱物の前に、長石の構造や組成について理解する方が良いでしょう。

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雲母の特徴の一つは,カリウムを多く含むことです。カリウムはイオン半径が大きいため,結晶中に入るにはそれなりの大きな場所が必要です。カリウムが入る大きな場所がある造岩鉱物の種類は比較的少なく,代表的なのは雲母とアルカリ長石です。雲母ではSi2O5のシート間にカリウムが含まれます。

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SiO4四面体の酸素がすべてが隣の四面体と結びつくと立体フレームワーク構造になります。4つの酸素が隣の四面体の酸素と共有されるため、酸素の数は4÷2=2となり,化学式としてはSiO2になります。Si酸化数+4と酸素-2×2で合計ゼロ,これだけで安定な化合物です。

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SiO4四面体からなる主要造岩鉱物のうち,SiO2の組成を持つ「シリカ鉱物」だけがMg2+, Fe2+, Ca2+, K+などの陽イオン元素を含みません。SiO2だけで安定な化合物なのです。この組成であるためには,立体フレームワーク構造が必要なのです。

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シリカ鉱物で最も有名なのは石英。石英の他にも、クリストバライト、トリディマイトなどがあります。石英にも、高温型石英(β型)と低温型石英(α型)があります。

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シリカ鉱物より長石の組成が複雑なのは,四面体中にSi4+の他にAl3+があるため。安定なSi4O8(SiO2×4)のSiの半分をAl3+に置き換えるとAl2Si2O8となり価数-2になります。Ca2+とAl2Si2O8^2-が結びつくと,CaAl2Si2O8灰長石になります。

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曹長石Albiteと灰長石Anorthiteは固溶体を作ります。この固溶体が斜長石で,多くの岩石に含まれる鉱物です。CaAl2Si2O8とNaAlSi3O8の間の固溶体ですが、CaとNaの置換にはSiとAlの置換を伴います[(CaAl)5+ <--> (NaSi)5+]

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アルカリ長石は,KAlSi3O8とNaAlSi3O8の固溶体鉱物です。端成分NaAlSi3O8は曹長石で、斜長石の端成分でもあります。カリ長石KAlSi3O8と灰長石CaAl2Si2O8はほとんど混じり合わず、それらの中間組成の長石はありません。

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アルカリ長石は,KとNaの比や結晶構造からサニディン,アノーソクレース,正長石,微斜長石,氷長石に細分されます。結晶構造はできたときの温度が反映されます。サニディンやアノーソクレースは高温でできたものです。

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KとNaの割合が中間的な組成のアルカリ長石は,低温では安定に存在できません。深成岩中でサニディンがゆっくり冷えると,Naの多い曹長石とKの多い正長石に分離してしまいます。分離するとミミズの群れのような独特の組織ができ、これをパーサイトと呼びます。

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宝石として有名なざくろ石(ガーネット)も造岩鉱物です。SiO4四面体の酸素が他のSiO4四面体と共有しないという点で,かんらん石と同じ仲間です。そのため,Si:Oは1:4になります。ざくろ石は+3価イオン(Al, Fe3+など)を多く含む点でかんらん石と異なります。

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ざくろ石はM3X2Si3O12という式で表され、Mには+2価のFe, Mg, Ca, Xには+3価のAl, Fe3+, Crが入ります。ざくろ石の結晶構造の骨格は,SiO4四面体の他にXO6八面体が重要です。この四面体と八面体が交互に並んでいるのがざくろ石の基本構造です。

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珪酸塩鉱物,シリカ鉱物以外に造岩鉱物として知っておいてほしいのは,スピネル類です。スピネルはMgAl2O4ですが、スピネル類の鉱物にはFeAl2O4(鉄スピネル), FeFe^(3+)2O4(磁鉄鉱),FeCr2O4(クロム鉄鉱)などがあります。