羨ましい。あんなに辛かったのに、 今もこんなに苦しいのに。 あなたと一緒にいると、 「正気でいる」ただそれだけのことで、私の傷のすべてが軽んじられているみたいだった。だいすきで、でも傍にいたくなかった。私は私の地獄で精一杯であるのに、どうして誰かの蜘蛛の糸にならねばならないのか。

わたしね、想うの。むかしむかしから、同じ当たり前ならひとが死ぬより、過ぎた時はもう戻らない事実の方が、ほんとはずっと惨いんじゃないかって。 そうでしょ？過ごして来た時間の尊さを知りながら、何もかもは継いでいけない。何かは必ず溢れてく。だってわたし達はそのひとじゃない、他人だもの。

きっと、エンドロールに出てくれる方を探しています。 私の走馬灯の出演者を、もうずっと昔から。 生きることはただ一度きりの、この上映のための下準備に過ぎないのかもしれないな。と、しばしばそう想ってしまうのです。私だけのフィルムロールへ。

綺麗事ね。憎しみから解放されよう、なんて外野が言わないでよ。できるわけないでしょ、諦めにだって期待が滲み出るってのに。今も夢に視るわ。 愛されたかったから。私は私の望むように、愛されるべきだった筈だから。この想いは間違っていない。もうそれが解るのに、どうしてだめなの。どうして。

きみの内の青さと話したい。 叶うかじゃなくて、成りたいものについて語る姿でさ。あの頃みたいに わたしたち、言葉を交わせたらいいのにね。 きっとその象徴が、わたしには昔からずっと制服なんだろなあ、って想ってたりする。

湿気はきらい。でもね、 世界にだーれもいなくなったみたいな土砂降りの、ヒトの気配がしない窓の外から聴こえる雨の音がすき。 矛盾してる？いいじゃん。そーゆうやつなの、あたし。

青にはなれないよ、 あれは手に入らないものの象徴だもの。だけどずっとそこにいて、通り過ぎていくのはきっと、いつもわたしたちの方なんだろね。

天国にはいけないや。 でもわたし、寂しがりだからさ。一緒にいたいと想ったら、きっと引き摺ってきちゃうから。 ずっと知ってたの、相容れないこと。だってあのひとはどこまでも、自分だけの神さまを信じてた。そうやってこの世界のどこにも、還る場所を失くしてた。 信仰って片道切符なんだよねえ。

だからどうして、傷つけられたものが肩身の狭い思いをせにゃならんのだ。乗り越えるのは私じゃないわ。 跪け。

ほんとうに幸せなら、道端の不幸に目を止めたりするような、我が身の幸福に水を差すことはしないもの。

定かではない未来より、 わたしは今この瞬間の尊さを選ぶ。 その愚かさを誰より知りながら、 永遠の不在を理由にしてすべてを棄てる。 たとえ約束がなくても、ここにある形でいい。もう十分だ。幸いにも、さみしさはただの虚ろではない。 それだけで、満たされたまま終わることができるから。

愛が何かはわからなかった。わたしたちは、お互いを繋ぎ止めることしか考えていなかった。ただ失くしたくないと強く想った。 それが、それだけがすべてだったのに。

「あんたの人生にとって、ちゃんと優しい奴で在りたい」って想ったらそりゃ、たいがい愛なんじゃないの？知らんけど。

「さようなら。願わくはあなたの絶望が、永遠にわたしの姿をしていますように」

あなたが演じたあの役や、 あなたが書いたあの役へ。 問われればいっぱいありますけれど、直接言いたくって。 だからもし知りたいと想ってくださるなら、次私とご一緒できた時に、こっそり伝えさせてね。 そんな言葉が沢山になったらいいなあ。あなた方との御縁が、 きっと近い内でありますように。

違うでしょう？貴女は、「特に好かれていない」からかなしいのではなく、 誰しもに”特別に好かれているわけじゃない”ことがいやなのよね。そうしてくれるなら、極端な話それが誰であってもいいの。可愛いわ。わたし、そういう我儘な子すきよ。 もっとそういう己の性質を認められたら好いのに。

今欲しいものは来年の日めくりカレンダー。鬼が何処かで嗤っちゃうね。デザインは昔ながらのやつでないと嫌。クリスマスプレゼントは毎年それでいい。 嘘。ほんとは、もうちょっと欲しいものある。でもぜったい、これだけは忘れないで。今日も息をしてるって想わせて。でないと私すぐだめになるから。

嬉しいです〜！特に紅い蝶。 私、蝶々だいすきです。旅立ちの印、変わる前兆。魂を象徴し、人の願いを神様に届けてくれるというお話があるの。そして一番綺麗な青い蝶はね、死体を喰らう性質があるんですって。だけど紅が一番好きなので、いつかこんな風に蝶を纏えたら素敵ですよね。

世界の終末を過ごす相手に選ばれるってさあ、 「愛してる」よりずっと信じられるラブコールじゃない？

癒えない傷を負うことで、もし永遠にわたしの姿を視ていてくれるのだとしたら、「愛してる」ではなく「好き」でもなく「わたし、この先あなたが出逢う全ての愛しいものに生まれ変わるわ。だから、迷わずあいしてね」っていうだろうなあ。