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女流小説家清水靜樹さんのツイートをリツイートしています。botの様なものです。 更に、内外のアーティストのtweetも拡散しています。shizuki-ebook.com @sizukisama @metaboojiisann @debuuti @shizuki_staff @Debuutti

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linkhttp://shizuki-club.com calendar_today10-06-2012 17:45:47

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📖page📖a.shizuki-ebook.com 「梅ばあ、どうだよ」debuttiはぶっきら棒に尋ねていた。「どうもこうもあるもんかね。この一年ときたら散々なのだからさ。それでもまあ何とかって気分だよ」本当に彼女にとっては苦しい1年だったがどうにか今のところは容体も落ち着いて自宅療養にこぎ着けていた。

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📖page📖shizuki-ebook.com 集積地のゴミの不法投棄はとりあえず収まっていると断言し難い状況ではあるが、監視カメラが想像以上の威力を発揮して悪党どもの意のままにはなっていない。それでもカメラの死角伝いに不法投棄せんとする痕跡や遠距離から投げ込まれた不気味な不審物は存在している。

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📖page📖shizuki-club.com 悪事には2通り。生き馬の目を抜く短期決戦か、じっくりゆっくり泥沼にはめるか。梅干し婆さん達を追い詰めようとする連中は本来後者のはずなのに近頃前者に攻め手を変えたように思えてならない。この長屋の面々はいずれ消え行くのは火を見るよりも明らかな筈なのに。

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📖page📖a.shizuki-ebook.com 「どの道ほったらかしにしておいてもそう長くなく消滅するのにご苦労様だこと」梅干し婆さんはどんよりした空を見上げてポツリと呟いた。「消滅って何が?」傍らでスマホを見ながらdebuttiが怪訝そうに聞き直した。彼女は「独り言」と答えるに止まってそれ以上ない。

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📖page📖shizuki-ebook.com 梅婆の体調はほぼ元通りに回復したとはいえ悪党の良からぬ行動に巻き込まれる事態等を想定して外出時はかりんとう爺さんかdebuttiがそれとなく一緒に出掛ける今日この頃。彼女にしてみれば内心ありがたいやら気詰まりやらで、以前より何かにつけやや控え目に思える。

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📖page📖shizuki-club.com 梅婆御用達ボディガードみたいな自負が勝手に生まれ始めているdebuttiにとって彼女のその控え目加減はこれ又ありがたくもあり物足りなさもあり。ズバズバ切り込む梅婆を心から待ち望んでいる。「長屋連中は長々居座るおつむも銭もなしってね」察する様に彼女は言う。

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📖page📖a.shizuki-ebook.com そもそも「おつむとか銭」以前の話。皆既にかなりの年齢なのだから、ぼちぼちこちらの世界よりあちら側に最接近している。自然の摂理に逆らってこちらの世にしがみつくような気力体力財力等ナッシング。それでも何故鳥鷹利みたいな連中は気ぜわしく事を運ぶのだろう。

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📖page📖shizuki-ebook.com 「ノルマとかに追いまくられているのかね。平々凡々に生きるのを徹頭徹尾否定するノルマでもさ」唐突にも思える梅干し婆さんのその言葉だったが今のdebuttiには彼女の心情が痛く伝わっていた。何の落ち度もない人々を陥れる事でしか生きる意味を見出せない群の存在。

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📖page📖shizuki-club.com 「丸とばつ、黒と白、表と裏。色々あるけれどそれぞれ真逆だからな。それぞれ我こそが優位と思っている、ってみたいなね」梅婆にはdebuttiのその発言が大層意外だった。彼は彼なりに長屋に降りかかったトラブルを目の当りにして、心を砕きながら急速に成長していた。

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📖page📖a.shizuki-ebook.com 何が良いのか悪いのか?価値観の違い、言い分の違い、見解の相違、etc. 考え出したらきりなんてありません。要するに終わりのない旅とかみたいにラチが明かない。そうは思って見てもやはり物事には常識的限度限界はあるでしょうに。誰かさん達だけってのはどうよ!!

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📖page📖 shizuki-ebook.com 例えばですよ、他人様のお家の様子を盗撮みたいな事がたまたま出来ちゃって、とってもそれが良い感じだったりする。それそのものは当然まずいです。普通はそれは表には出せない内容ですよ。なのに一線を超えて「自慢の我が家です」って拡散したら大問題ですよ普通。

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📖page📖 shizuki-club.com ところが、「所在が判明しなければ証拠がなければ全然OK、バレなければこっちのもの」うまいこと編集して切ったり貼ったりを繰り返し、「今日も我が家は良い感じついでにお庭も良い感じ」って押し切る。『人の所有物は所有者のものでしょ』梅婆はニヒルに言い放つ。

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📖page📖shizuki-club.com 彼女が店じまいの支度を始めた頃、彼は吐き捨てるように言うのだった。「あのクソババアの往生際の悪さは普通じゃねえ。ふざけやがって。次はどんだけ痛めつけてやろうか。覚えておけ、梅干し婆ア」彼が随分感情的になっているのがイノブタママには大層意外だった。

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📖page📖a.shizuki-ebook.com 高ぶった神経をクールダウンさせるにはそっとしておくのが通例なのだから彼の発言の聞き役に徹するのが彼女の役目。だから彼の言葉にさりげなく頷いて普段通りに支度を終えると表看板の電気を消した。鳥鷹利のグラスにバーボンを継ぎ足し、つまみを見繕っていると。。

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📖page📖shizuki-ebook.com 「つまみならナッツとチョコチップがいいな」彼本来の冷静さを取り戻したのだろうか。ちょっと安心して「あいよ」と彼女は返答した。それでもまだ本来の彼ではないと彼女には分かっている。いつもなら、つまみなんていらねえよ、と言って酒瓶を手酌するのが常なのだ。

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📖page📖shizuki-club.com 要するに甘みを妙に欲しているのだから彼なりに疲弊しているのは間違いない。人数こそ増えないが、かつてのあのベトコンの様な相手に手立てを講じても講じても手応えの乏しいまま時間が過ぎている感を否めない。人の生き血は吸ってこそナンボ、そのポリシーが危うい。

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📖page📖a.shizuki-ebook.comどんな強靭鈍感で因業な人物でも年に2度の長期入院はさずがに応えたはずだ。それは誰の目にも明々白々な事実なのだ。それでも鳥鷹利がこれ程梅干し婆さんに苛立ちを募らせているのだから、彼にとって彼女は随分と手強い相手なのは語るまでもない。イノブタママは。。

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📖page📖shizuki-ebook.com 十分承知した上で彼女は宙に向かうように言うのだった。「息の根が途絶えるまでしつこくねちっこく。。それが一番の手立てよね。いつかは誰だって終わるのだから。あのババアだって今度はかなり参っているって噂よね。そりゃあそれが普通よね」彼は黙ったままだった。

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📖page📖shizuki-club.com イノブタママは店じまいしたものの黙りこくって動こうとしない鳥鷹利をそのままにして2階の自宅居住空間に引き上げて良いものやら戸惑っていると彼はカウンター越しにポツリと言うのだった。「敵が苦しい時は己にも厳しい。歳は同じ様に取るしな」意外な言葉だった。