他の人間が自由の為に命を投げ出し、自由の為に敵を殺したように、我々も同じ事をやる用意があり、意志がある。

私は反米主義者ではない。我々はアメリカが国内や国外で行なっている不正行為に反対し、それに対して闘っている。

アメリカは兄弟愛など欠片も存在しない社会だ。

皮膚の色がどうであれ、この黒人の生き血を吸ってきたハゲタカのような体制の破壊を目標とする限り、その人は我々の仲間なのだ。

連中は権力の座としてのワシントンに居る。そして奴らは、ワシントンから南北ベトナムやコンゴやキューバや、地球上のその他の場所に住む有色人に対して同じ形式の残虐な弾圧を試みている。同時に奴らは世界中のこれらの人々を搾取しようと謀っているのだ。

黒人女性が残虐行為を受けていながら、それに対して我々が何も反撃しないすれば、一体我々は人間として尊敬されることができようか。

ブラックナショナリズムの経済哲学は自分たちの経済のコミュニティを自分たち自身の手で動かすべきだというものである。

リンカーンと呼ばれる例の偉大な輝けるリベラルによって発布された「奴隷解放宣言」が黒人を解放していたとすれば、今になって「We shall overcome」を歌うこともないだろう。もし憲法改訂法が黒人の問題を解決していたならば、黒人問題が今日もなおアメリカにあるわけはないだろう。

外見上、彼には人種差別主義はないという確信を抱いたとしよう。そしてもし本当に彼がそうした思想の持ち主なら、ふつう彼は社会主義か或いは社会主義的な思想の持ち主なのだ。

私が好んで攻撃した標的は、聖書と神だった。だが、いくら孤独のままでいたいと思っても、法によって制限されていたので、いつまでもというわけにはいかなかった。ついには、反宗教的な態度のおかげで同棟の監房の囚人たちから「サタン」とあだ名された。

我々に無力感を抱かせるのは、自分に対する憎悪であった。

この地球上に多数の民衆が存在する以上、彼らを承認し、人間として認める方がよいし、そうすれば彼らもあなた方を人間として扱うだろう。

ただひとつ言い訳があるとすれば、当時の私は他の多くの黒人男と同様に、何も聞こえず、何も見えず、何も話せない無知な人間だったということだ。

我々の団結が実現して初めて他の人々との連帯を考えることができる。自分たち同士が容認しあえることが証明されないまま他人に認められようなどとは考えるべきではない。

現に今も、あらゆる大都市の黒人居住区で毎日のように学校教育から脱落する人間が、私がやったのと同じやり方で、つまり何らかの不正なやり方で金を稼ぎながら生き延びているのである。そして彼らは、やむを得ず、ますます多くの、ますます悪質な違法行為と不道徳行為に陥ってゆくのだ。

このアメリカは植民地だ。若者達をせき立ててデモ行進させねばならないような体制が1965年に存在する限り、、。

怒りをもって発言すれば、我々は尊敬と承認を得るだろう。そして我々は今まであまりにも長い間、我々に偽りの約束をしてきた白人どもの権力を転覆させることができるだろう。

朝鮮では暴力を振いながら、どうしてミシシッピィでは非暴力であろうとするのか。なぜ、あなた方はミシシッピィやアラバマで非暴力を容認できるのか。自分達の協会が爆破され、自分の娘が殺されているというのに。しかもあなた方はヒトラーや東条や知りもしない連中とは暴力をもって戦うというわけだ。

いまや抑圧者に対する被抑圧者の、搾取者に対する被搾取者の世界的な反逆が起こりつつある。黒人革命は人種的反逆ではない。我々は、人間同士の愛を心底から大切にする人なら誰とでも信頼しあっていきたいと考えている。

アメリカの白人達は彼ら自身を消耗させ、この国を滅亡させようとしている人種主義の跳梁から立ち直ることができる。私はメッカへの巡礼の経験からそう固く信じるようになった。