かつて名将モウリーニョに「猫」と揶揄された青年は、いまや万能CFとして世界の頂点へ登り詰めた。特別な何かを持たなかった選手がバロンドールまでいく功績はあまりに大きい。

マドリー最終ラインの英才教育を受けてきた男。ミリトン。

ナチョ。糖尿病を抱えながら歩んできたワンクラブマン。マドリーで欠かせぬ選手にまで登った彼の背中は、大志を抱き貫く勇気を与えてくれる。

奇跡のCL制覇。守護神カシージャス不遇な失点を、終了間近に次世代カピタンのラモスが救い、大一番で大補強ベイルが結果を示し、絶対的エースロナウドが試合を締める。できすぎのドラマであった。

「各ポジション最強を集めればそれが世界1位のチームでしょ。」戦術論発展の近代にそんな子供の発想を実現してしまったペレス氏の功績。

夏の暑さは21歳ベイルの「無理やり」な快走をみながら涼む。

マドリー史に刻まれる伝説トリオ。遠い過去のように思える一方で37歳モドリッチ、33歳クロースは未だ白い巨人の先頭にいる事実は脳をバグらせる。

最強のメンツで最短のルートを。バルセロナ黄金期に生まれたティキタカへの対抗手段としてたどり着いた「高速カウンター」という突破口。もはやクラブの代名詞にもなった。

彼ほど、変えが効かない、唯一無二、マドリーの象徴的なカピタンがいただろうか。

狩られたら狩り返す。マドリーが生んだ狩人のマフィア化シーン。

針に糸を通した歴史的な1本。はたしてこれはパスだったのか。迷宮入り。

ネイマールとの比較重圧を世界一受けない(感じない)男。

どれが欠けても成し得なかった奇跡的な日。

MFのあるべき姿が詰まった名シーン

マドリー黄金期、左翼のロナウドに引けを取らない、右翼という大役を担えた唯一の男、ギャレス・ベイル。

血迷いベンゼマ。大型補強ベイルの移籍に怯えながらも、なんとか違いを見せようと披露した意味不明な髪型。貴重です。

またLaLigaで闘将の姿をみれること。それだけで心が躍る。おかえりなさい、カピタン。

近代マドリーの基盤を創り上げたカピタン達。ラウールは銀河系に泥臭さを、カシージャスは冷静沈着さ、そしてラモスが勝者のメンタリティを植えつけた。

サッカー史上屈指のCB、ファビオ・カンナヴァーロ。ラモスもファンダイクも辿り着けなかった頂、CBでのバロンドール受賞を成した色男。

この曲で秋の訪れを感じる日本人はもうそれだけで友達。