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百四拾怪談:伽藍道

@kowaihanashi

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▲#140字小説 #呟怖 #54字の物語 #10文字ホラー
 [管理人:伽藍道]

ID: 122548939

calendar_today13-03-2010 02:58:51

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■No.713  海水浴に疲れた私は、波打ち際で砂山を作っていた。膝の高さまで積み上げた砂山にトンネルを掘り、いよいよ穴が貫通しそうという時に、指先に生暖かいぬめりけを感じた。驚いて手を引っ込めると、指に小さな歯型が付いていた。あれは口の中に指を突っ込んだ感覚に違いなかった。 #140字小説

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■No.714  近所のコンビニに出掛けようと買ったばかりのゴム草履に足を突っ込むと、足の裏に異物感が走った。ゴム草履を裏返すと、靴底に空いた空気穴のすべてに小さな白い石の欠片がぎっちりと詰まっている。ピンセットで取り出してみると、白い石だと思っていたものは人間の乳歯だった。 #140字小説

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■No.715  通学路の途中に「獅子」を飼っていると噂される屋敷がある。夕暮れ時に屋敷の前を通ると野獣の雄叫びが聞こえるという。噂の真相を確かめようとした同級生が言うには、屋敷の小窓から中を覗くと、夕飯を取っている四人一家の周りを、真っ赤な髪の獅子舞が踊り狂っていたらしい。 #140字小説

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■No.716  主張先で下着が足りなくなり、洋服店に足を向けた。店内には同じ服装の従業員が四人立っていたが、ひとりも口を開かない。接客の悪い店だと思い、別の店にしようと踵を返した。カチカチカチ──背後からの奇妙な音に振り向くと、従業員全員が紫色の歯茎を剥き出しに笑っていた。 #140字小説

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■No.717 「こっくりさん、三人のうち最初に死ぬのは誰ですか?」  最初の質問から『死の予言』とは滑稽な。十円玉に取りついた私は《し》の文字に向かおうとして──阻まれた。見ると中央の女が私の動きを遮り、無理矢理に《さ》の文字へ十円玉を移動させようと踏ん張っている。こわい。 #140字小説

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■No.718  明け方に国道をドライブ中、赤信号で停止中の愛車に、バイクに乗った黒いヘルメットの男が横付けし、運転席の窓に頭部をぐいと寄せてきた。同時に鼻先に焦げ臭さを感じ、暗闇に目を凝らすと、黒いヘルメットに見えていたものが、黒く炭化した頭蓋骨だったことに気が付いた。 #140字小説

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■No.719  締め切りが迫った同人誌の原稿を書いていた時の出来事。顎が外れんばかりの大欠伸をしたところ、飾り棚の方から「ふおおお」と声が聞えて来た。驚いて棚を見ると、合体ロボの両目から茶色の液体が流れ出ていた。どうやら欠伸が感染ったらしい。流れ出ていた液体はオイルだった。 #140字小説

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■No.720  長期入院していた弟の病状が悪化し、死ぬ前に一度でいいから顔を合わせておかねばと、死に物狂いで病院に向かった。病室の戸を開き、死に目に間に合ったと思った瞬間、背後から黒い手が伸び、私の両目を塞いだ。 「りんじゅう」  暗闇の中で、心停止のフラット音が聞えて来た。 #140字小説