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後藤_大祐/Goto_Poet

@goto_poet

2015「詩集 誰もいない闘技場にベルが鳴る」 2016「現代詩の新鋭」コラム「カバンには詩集を」日本現代詩人会会員 2022「詩と思想」詩誌評襴担当、

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calendar_today15-12-2015 10:54:21

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最近、視界に黒い月のようなものが映るようになり、それには正式な病名があり、一ヶ月ほど様子をみましょうとなったのだが、就寝中ふと目が覚めたとき、その黒い月の奥にスクリーンのように人々が通勤している映像や新居らしい風景が見えるようになったのには病名があるのだろうか。

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脳を機械に入れ替えて、未来は十分な電力と確率論で予測できる。あなたはもう不要です。急速に効率化するすぐ先の未来には不完全である人間の居場所はありません。温かい思いやりも、扱いづらい愛というものも、独創性も生きる喜びも、歌うことも別れの悲しみも笑うことも、互いに肩を叩き合うことも。

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ある日突然世界が違って見える。目の前のもやが吹き飛びすべてが明らかになる、そんなことがある。と経験的に認識していたがどうも逆らしい。僕は色々な思いこみのために日々世界とずれていて、徐々に進むずれのせいで異世界に入りこんでしまう、それが突然の現実の衝撃で砕け散る。今のも感じもそれだ

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世界が狂っているというんではないんだけど、構成員である一人ひとりはしっかり狂っている。僕もそうだ。毎日存在しないマンモスを存在しないチームで追いかけ、土ぼこりを上げながら突き進んでいる、そして指揮者は不在だ。勘違いからの妬み、自己防衛の為の憎しみ、幻想という名の愛を歌うんだ。

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20年前に突きつけられたことを。今は闘技場の階段を降りながら息をついている。敗者に帰るべき都などなく、荒野で、存在しない金塊を存在しないスコップで掘り続けている手や指は無くて、手首だけで掘りつづけ、蛮族に嗤われ、カラスがつつく、私の骨を、それでも掘り続け、そこに何かあれ、愚かな私。

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度重なる苦しみにもう、わたしの心が折れてしまう間際、遠くから案じてくれた友がいた、と知り、揺れる牛の上ですこし泣く。梅の気持ちは梅にしか分からず、同じ春は二度と来ない。憂き世は常ならず、香りとは、春霞に消える夢。今も揺れる牛の上、管丞相はまた遠くを見る。じっと見る。

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ひと月半ほど前に私の視界に現れた黒い月のようなものは病名は明らかながら、少し形を変え、まだある。あれから一ヶ月たち、急な事情で転居することになり、あの時黒い月に映った新居らしいものや人混みを現実に目にしている。これは何という病か。この黒い月が見えるのは私が狂い始めているのだろうか

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最近転居し、「できるだけ似たジャンルを並べてください」と引越アルバイトの学生さんたちにお願いした本棚の並びには思いがけない食や探検の価値観がぶつかりあい、新しい冒険者の世界が生まれた祝日の美しい朝だ。

最近転居し、「できるだけ似たジャンルを並べてください」と引越アルバイトの学生さんたちにお願いした本棚の並びには思いがけない食や探検の価値観がぶつかりあい、新しい冒険者の世界が生まれた祝日の美しい朝だ。
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朝のアラームを切っている今日は久しぶりの休み。住民票を移す日。約7年の旅はいったん一区切り。異郷の音楽、聞きなれない言葉、舌を驚かす皿。自由な異邦人の背中には静かな緊張がある。呼吸が少し浅くなる小心さと。世界は億劫がる私を連れ出してくれる、人間が旅人に過ぎないことを教えてくれる。

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初夏、窓のそとの蝶の羽ばたきがかすかに聞こえる。記憶の底に流れるせせらぎは怒りなのか興奮なのか。世界には絶望と希望がちょうど半分ずつある。やれやれ、これからは回収できる希望の方が多そうだ。詩は呪術と同系統に属する。そっと丁寧に扱おう、気にくわない微風を石と固めてしまわないように。

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【靴】くつ。足を覆う履物。主に革製の西洋靴をさした。今では人工皮革、化繊メッシュ等、用途に応じ様々な素材から作られる。所謂著名デザイナーの高価な靴は履く人の気持ちを昂揚させ、品格を与えるとされる。安価な靴は品格を下げるとされるが、一般的に河童はキュウリと酒以外あんまり興味がない。

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【机】つくえ。読書、仕事などに用いられる4脚の家具。机に向かいそれらの行為をすることは良い行いとされ、幼少期の河童が母を喜ばす為机に向かい勉強をするフリをしていた事実が確認されている。社会に出た河童について証言はないが、成功体験に基づいた生存戦略の転換は一般的に難しいとされる。

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【駅】えき。列車を停止させ、乗客や貨物を乗り降ろしさせる場所。寒く風の強い日にはコートの襟を立ててうつむく。国旗をふり、バンザイ叫び別離を惜しむ場所であったが、一人下を向き、画面を見つめる場所でもあった。見知らぬ人と交差するにも関わらず威嚇や儀礼がないのは現代文明の驚くべき側面。

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【キュウリ】きゅうり。インド西北部ヒマラヤ山系原産のツル科キュウリ属の植物及びその果実。食用。95%が水分で構成されるみずみずしい野菜。河童は1日におよそ100本のキュウリを集め、そのうち3本を与えられる。毎日文句を言わず働き、朝と昼と夜に1本ずつ食べる。子供も喜んで食べる。

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【立体駐車場】りったいちゅうしゃじょう。構造物や装置を用い重層的に車両を駐車する施設。狭小な敷地面積でも効率的に車での来客を誘致可能な仕組み。その為、その文明に捨てられた立体駐車場は夜に静まり返っている。おおーん、中から?反響は何の。うおーん、誰かいないか。機械の森に迷う幼な子。

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【違和感】いわかん。心理的あるいは身体的にしっくりこない感じ。新人会社員Zは早朝、何となく違和感があったため、念のためその日を休養日とした。休暇取得は当然の権利であり特に職場に連絡をしなくてよいと考えた。何度か電話がかかってきたが何となく違和感があったため、念のため電源を切った。

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【雪】ゆき。大気中の水蒸気が上空で冷却され結晶化した極小の氷。重力に従い、風に舞いながら地上に降りやわらかにつもる。その新雪はかすかに青みをおび、限りなく白み、踏むと飴細工が砕けるように小気味いい音をたて、崩れた。人がいない間に地面や植物、建物を包み、人が見ぬ間に消える。全て。

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【九官鳥】きゅうかんちょう。鳥綱スズメ目ムクドリ科キュウカンチョウ属の鳥。インコ同様人語を発し、内容を完全に理解する。人間自体は他人の発話の内容や意図を半分以上理解することはなく、自身の発話の息つぎとして聞いているフリをしているに過ぎないが、九官鳥は聞き、完全に理解している。

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【薬缶】やかん。湯を沸かすための道具。アルマイト、銅などの熱伝導のいい材料で作られる。大きな口と注ぎ口、蓋、取手、胴体から構成される。火にかけられ勢いよく沸くさまは昭和のマンガでみる怒る上役に似ているが、今の時代は怒ってはいけないので薬缶はひとり棚の奥でそっぽを向いてすねている。

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【テクナトポポモモシリ】[Tekn-Aton-Popom-Hoɕi ɾʲi]。現生人類が見せるふとした瞬間のよさ、映像で見るマイケルジャクソンの一瞬の角度、久しぶりに再会した友人のはにかみ、古い池に飛びこむ何かを思いついた寝起き、懸命なマーチングバンドの金属のきらめき、が消える前触れのこと、あるいは神。