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@saya_works

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calendar_today16-07-2014 07:23:45

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デカい主語でデカいことを言っていた頃は、世界を作っている述語がこんなに多くて複雑だなんて、分かっていなかった。自分なんて、と思うと何も言えくなって、そのうちにどこにも行けなくなった。今はどこかに行って、何かをしたい。自分のサイズを測るのは、最期でいい。 #140字小説 #マイクロノベル

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子供の頃に好きだった街並みを、フィルムの中に見た。良い思い出ばかりじゃないし、忘れてしまいたい日もあった。それなのに、もう戻れないというだけのことが、こんなにもどかしい。今よりも後悔が少なかったあの頃。過ぎた時代の記憶は、暖かくて、いつも少し寂しい。 #140字小説 #マイクロノベル

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昔、頭の中にはいつでも帰れる場所があった。そこに居るだけで、真夜中にホットミルクを飲むときのような気持ちになれる場所が。世界はあまりに慌ただしくて、感情を言葉にするより早く時間が過ぎる。椅子に腰掛けたとき、いつか好きだった場所のことを、ふと思い出した。 #140字小説 #マイクロノベル

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今日で140字小説365話更新を達成しました。どうしても更新出来ない期間があり6日間の誤差が出ましたが、事実上の毎日更新ということで。特に止める理由も無いので、毎日遵守かどうかはさておき、今後も続けます

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もう人の話を聞くのは十分でしょ。と彼女は言った。一番大切な物から数えて三番目くらいまでを鞄に詰めたら、後のことはきっと大丈夫。旅立ちはいつも不安だけど、一歩先は思うほど遠くないよ。新しい景色を集めたら、また二人でゆっくり話そう。冬の終わりの会話だった。 #140字小説 #マイクロノベル

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そのホテルからは誰も帰らない。親切な従業員、気の利いた音楽、心地良い酔いを誘う酒。全てが揃っている。ある者は思い出すために、ある者は忘れるために留まる。皆、今ここには無いものに囚われている。甘い懐古の景色には、誰でも訪れることができる。帰る道はない。 #140字小説 #マイクロノベル

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時々、何もかもが嫌になるんだ。乾いた冷気が張り詰める朝とか、すっきり晴れた青白い空とか、不意に他人行儀に感じた部屋の景色とか、無意識に痙攣する指先に、耐え難い気持ちになって、どうしようもなさに身動きがとれなくなる。僕は結局、それを言葉にできなかった。 #140字小説 #マイクロノベル

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Noveleeさんの企画で140字小説が朗読動画化されました。自分でも気に入っている話なので是非見てみて下さい。読書系のアプリでUIが一番使いやすいです。スキマ時間の読み物に是非

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いつだって、失われたものだけが美しい。古くて、傷ついていて、もう誰のものでもないからだ。過去の輝かしさだけが、持て余した憧憬を受け入れてくれる。あの頃は、と誰もが言う。忘れたくないものだけを思い出せるからだ。美化された過去は、また一層、古くなる。 #140字小説 #マイクロノベル

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いつから一緒にいるのか分からない。たまに忘れても、気がつくとピタリと側に寄り添っている。気怠い意識で迎える朝や、重い手足を引きずって寝床に潜る夜には殊更近くに感じる。最も誠実な言葉と、切実な感情を引き出してくれる友人。そんな存在を、憂鬱と呼んでいる。 #140字小説 #マイクロノベル

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君の指が羨ましかった。細くて長くて白くて、いつも少し冷たい。繊細なものを創り出すことに向いた、華奢な指が羨ましかった。小さな爪に乗った群青色が羨ましかった。かき上げた髪に映える貝殻みたいな爪が羨ましかった。多分、君は僕の痛みに一生気が付かないだろう。 #140字小説 #マイクロノベル

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ジャンプの無料マンガアプリ「少年ジャンプ+」で「サウダージにくちづけて」を読んでます! #ジャンププラス shonenjumpplus.com/red/content/SH… こんな話を書きたい

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風に攫われて、夜に閉じて、ひっそりといなくなってしまえたらいいって思う。生きることは私には重苦し過ぎて、ずっと向こうに見えていたはずの、いつか行きたい場所はもう遠過ぎて、地平の先に消えてしまった。こんなはずじゃなかったなんて、今さら子供みたいだね。 #140字小説 #マイクロノベル

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一度、世界の幕引きの形として選ぼうとした極端な選択肢は、ふとした瞬間に頭を過る。夏の夜に、不意に首筋を撫でる季節外れの北風のように、そっと私を唆す。私はもう、彼を遠ざけていない。ああ、今日も来たんだねと、お互いの心の内を知る旧来の親友のように語らう。 #140字小説 #マイクロノベル

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辛い思い出が裂いた心の傷は、不意に開いて痛むから、その度に溢れた血を拭ってやらなくちゃならない。苦しさも、悲しさも、当時の鮮やかさで夢や感情や五感に甦るから、何度でも自分を埋葬する。そうして重ねた地層の上で迎える朝を、望むとなしに、ただ生きている。 #140字小説 #マイクロノベル

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時間が無い、もう後が無いと思っていた。足がすくんで動けないままの私を置き去りして、砂は落ちていく。足りない、間に合わない。カタン、と砂時計が倒れて、天地が分からなくなった。ふと悪戯心が働いて、砂の多い方を上にした。なんだ、こんなことで。肩が軽くなった。 #140字小説 #マイクロノベル

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叫びそうになる感情の波は、顔を埋めた枕の中に放流した。足元から崩れ落ちそうになる不安は、震える膝を掴んで抑えた。大丈夫、まだ倒れていない。立ち止まらなければ、生きている意味なんて考えずにいられる。いつか力尽きたなら、そのときようやく楽になれるわけだ。 #140字小説 #マイクロノベル