人類が滅びるまでの物語を 土の少年が紡ぎ 樹木の少年が記録し 風の少年が朗読し 水の少年が聞いて涙を流した 火の少年は腹を立て全て燃やし また一からやり直すため 女になって人を産み出す

育てる自信がなかった 母になる能力がなかった もし産み育てていれば 子は不幸になり、私を呪詛しただろうから 私はそう愚かではなく 子供を孕むことさえなかった。 だから誰も私を憎んでいないはず なのに何故あの子供は私を睨むのか 子宮に宿った気配さえない 貴様に何故私は憎まれるのか？

何冊読めば、白紙の本を #一行詩 ……いつかの月

夏の灯やあの丘を越え見える町 #俳句 #詩 もうすぐ もうすぐという何処か 聞き飽きるが 思わず言う そうして生きる もうすぐ もうすぐ見えて来る 会える みんな知っている が 命を言葉が導く 希望は捨てない限り 必ずある ああ、泉の湧く森 夏の夕べ 母さんの声 きっとあの子　 もうすぐ 帰るわ

月満ちる 自分の過去を 細読し 支えになった 言葉を、君に。 #短歌 #詩 #NEKO さん☺️

君が読み進めてきた物語 全ては君が創り出した幻だった もう終わった世界で 君はひとり諦めず 灰色の街と空 見慣れない月が嘲笑うかのように 次のステージを待っている 雨も人も枯れたんだ 街も夢も枯れたんだ それでも君はひとり諦めず 愛も恋も枯れたんだ それでも君はひとり諦めず #詩

#詩

濃厚なカスタードクリームのようなお月様 皮に包んでオマジナイ 美味しそうにできたら君にあげる そうしたら 君は喜んで食べてくれるだろうか このオマジナイのレシピ 変だね? あの頃のままに君を縛りつけた オマジナイのやり方と同じだね？ 願い事も オマジナイも レシピも ひとつだけで よかった。

それもこれも 遺りもの でもきっと どちらかは嘘つきだ 丸い月の話は 本当だと思えたけれど 似ても似つかない 我が家は あたたかそうだった ああ これが嘘で 昔話ならいい 色彩の一頁を捲る 乾いた風の 生温い音がした #詩

影は問う—— 読む者とは誰か 書く者とは誰か 忘れ去る者とは誰か やがて風が答える—— 名は消え、記録は閉じる だが、その光だけは 夜の果てに浮かび続ける #詩

『ページの向こうへ』 本をめくるたび知識の海が広がる 言葉の波が心を打ち 思考の船が進む 過去の知恵は未来のみちしるべ しかし現実は生きている 本の中の理想と街の喧騒 選択の瞬間 心の葛藤 実際の足は重く現実の壁にぶつかる 日々の中で感じること それが真の知恵となる #NEKO #詩

六畳の子供部屋の天井からほのかな闇にダイブ　お布団に転がり ハミング　たんぽぽの綿毛や慎重に集めた桜の花びらを部屋に飛ば す　夏はとうもろこしの粒をひとつずつ数え　読み飽きた絵本を押 し入れのなかで暗唱　悲しいことはハミングすると忘れてしまう 昼寝をすると闇から白い指先が現れ

最後の夜だから 夜空に蚕が糸を紡いで 月を埋め込んでしまった 泣かないふりをして 本を読み耽っている 終わりのない序章 エピローグは忘れてしまった 雨が降りそうにない夜を 繭に包まれた月が照らしている

月夜 見渡す限り 月と夜が咲いている 僕は 干からびて散っている 街は枯葉だらけだ 昼が潮のように引いた公園 月が溺れている 静寂を讃えた唄が流れる 光に刺さる失意 痘痕色の月が夜へ嘆く 売れない画家は呟く 月夜におまえたちは不要だな 公園を散歩するポチと僕 みな薄明かりの夜となった #宣井

混沌とした世界の片隅で 古ぼけた書籍を開く 人間という愚かな生き物が たどってきた歴史 読み聞かせないとわからないのかい？ 愚かな人間よ パラパラとページを捲るたび パラパラと落ちる埃 フードの下で僕は泣いている 泣き声を上げる事なく 哀れな人間を思いながら #詩

君のその右手は サブマシンガンに添えるよりも繊細だから たった今必要な文字を瞬時に持ち帰ってくる 過度に生々しくならない口調で 「蚊が吐血するような」といったフレーズを軽々と鞣(なめ)し出す 十二分に孤独に濡れたその手の甲その手の内で 抗わず波打たずに制圧しているのだ #PP #詩

お客様がお選びになった 赤い50辛ルームです あ そこの女は無視して下さい 「私 辛いのは得意よ」と言ってましたが まだ完食できずに 10日もココにいる大嘘つきです おぉ 幸子 もう大丈夫だ あなたに少しでも近づきたくて… わかったここから出て パフェでも食おう うん ブーヒー（甘〜い） #詩

一方的な侵略を受けた国で、銃を持てない女達は集まった。自分達の子宮を供物にして、大いなる大きな想像力を重ねて巨大な子宮を作った。やがて女達が死に絶えたころ、子宮を食い破り平和の化け物が暴れ出す。人の脳に。 世界中のクリエイターの脳から戦争が食い殺された。 人は戦争の記憶をなくした

君は瓦礫の中に座る 君の目の前には 息絶えた仔猫の屍 君の背後には 砂埃をあげて崩れる街 この街は 終わってしまった この刻は 潰されてしまった どうすることもできない この喪失感は 静かに、そして虚しく その風を漂わせる 君と僕が存在する理由 この壊れた世界で そもそも必要なのだろうか #詩

注意しよう何がしたいか朧月 #俳句 #詩 誰かいる 誰かがいる 例え今見えなくても 誰かいる 今までいなかった誰か 支配される 悟られないように 私は 向こう岸へ辿りつき 暴こうと思う 何がしたいのか 誰なのか ただ いないのかもしれないのだ 誰も 私さえ 誰か? けして気づけない亡霊 亡霊が忍び寄る